NIKKEI InnovationLab

3月 15, 2018

「記事校正支援にAI活用」で論文発表

日経イノベーション・ラボの中島寛人、山田剛両上席研究員は、新聞記事の校正を人工知能(AI)に効率的に学習させる新しい手法を開発、研究成果を2018年3月15日開催の「言語処理学会2018年次大会」で学術論文として発表しました。AIの基盤技術である深層学習(ディープラーニング)を校正に応用するのが特徴です。ラボ単独の論文発表は今回が初めてとなります。

論文の名称は「記事等の誤り箇所判別(校正支援)装置に関する方法の発明」。言語の深層学習では自動翻訳への応用研究が先行していますが、校正への応用研究は緒に就いたばかりです。論文発表の選考過程で先行研究があるとの指摘はなく、世界のAI研究に大きな影響を与える可能性があります。

仕組みは次の通りです。新聞から抽出した“正しい”文字列の一部を、あらかじめ指定した規則に従って文字を並び替えたり、置き換えたりするなど意図的に誤り(ノイズ)を加え、“誤った”文字列を自動生成します。これが深層学習の “教師”データとなります。次にAIに正しい文字列と誤った文字列を入力し(写真は入力後の記事イメージ)、学習させます。学習後、校正したい文字列を入力すると、正誤を示す評価値が自動出力されます。ラボで試作機を開発し、検証したところ、約95%の確率で誤りを検出、実用に耐える水準となりました。

政治・経済、マーケットなど様々な分類の記事をAIに大量学習させれば、各分類の表記の特徴などを反映した正誤判別システムを開発できます。日本語のほか、英語など多言語への対応が可能です。ラボでは新聞以外の文章校正やプログラムのバグの発見にも応用できる可能性があるとみて、引き続き研究開発や検証を進めます。

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